令和2年度 中学校入学式を挙行しました

2020年04月07日
中学校

昨今は国難とも言われている新型コロナウイルスの影響から、3月以来各地で臨時休校が続いておりました。もちろん本校とて例外ではなく、生徒をはじめとする多くの人々の安全の為、休校措置をとってまいりました。その間、4月からの新年度はきっと再開をするべく準備を進めてまいりましたが、残念ながら情勢はいよいよ緊迫の度合いを深め、再開に踏み切るにはあまりに危惧するべき点の多いことから休校延長の止む無きに至りました。

そんな中、入学式とそれに付随するHRについては、細心の注意と対策を講じてこれを挙行することで新入生にとっては新たな門出を心に刻み、未だ見ぬ未来への希望へと志を高く持ってほしいと願っています。

なお、式典で語られた学校長の式辞全文と御礼の言葉とを下に掲載させていただきました。是非お読みください。

 

  仏陀の御身を表す仏旗と共に

 

 

                               

 

 

中1所属の教員以外、来賓・保護者の方でさえも会場内にお入りになることをご遠慮いただくという、かつて無い形での入学式となりました。保護者席だったはずの区域の中央から映像を中継しています。

 

せめて保護者の方々には別室にて中継映像をご覧いただきました。

  

 

新入生代表の「誓いの言葉」。 凜とした、あまりにもしっかりとした声を届けてくれたことに驚きました。代表者を含め、素敵な新入生一同を迎えられたことを、教員も全員等しく嬉しく思います。

 

式を挟んだ前後のHRでは、各クラス担任がこれから始まる中学校生活の最初の一歩を導きました。

  

     

 

明日からの登校は変則的になります。日程等の確認を丁寧にお願いいたします。この先も不測の事態があるかも知れません。検温その他の健康管理もますます重要になります。そして必ずや全員が無事にこの困難を乗り越えることができますように。

 

本日ご来校くださった保護者の皆様、外出することすら懸念される中を本当にありがとうございました。また残念ながらお越しになれなかった皆様、いずれの日にか、きっとお会いできることを楽しみにしております。そしてどなた様も、お身体をくれぐれもご自愛くださいますよう。

 

 

                                                                                                       式  辞

 新型コロナウィルスの感染が世界的に拡大し、日本国内にも感染者が増え、人々の不安や恐れが高まっている非常事態の中、入学式が実施できるかどうか心配しましたが、来賓・保護者の方・在校生のご協力をいただき、新入生だけの簡略・短縮化という形で、京都女子中学校・令和二年度入学式を行えることを、教職員を代表して、感謝申し上げます。

ただ今、本校に入学を許可されました202名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学を教職員一同心から歓迎します。

 さて、新入生の皆さん、京都女子中学校でのスタートが、この京都女子学園の講堂でみ仏さまに、合掌・礼拝することから始まりました。

 本校は121年の歴史と伝統を誇る学校です。本校は親鸞聖人の教えにより、心豊かな人間として、社会で活躍貢献できる女性を育てたいという建学の精神に基づき、すべての教育活動を行っています。その建学の精神は自立、共生、感謝の三つ心であらわすことができます。皆さんは、この3つの心を目標にしながら学校生活を送ってください。

1つ目の心は、自立ですが、皆さんは自分ひとりで生きているのではありません。さまざまな人や動物や植物、そして空気や水などの自然によって生かされて生きています。自立とは、誰の世話にもならないというのではなく、おかげさまという気持ちで、周りの人やものの立場を大切にしながら、自分自身で考え判断していくという意味です。

2つ目の心は、共生,とも生きです。わたしと同じようにほかの人もいのちを持っています。動物や植物にも同じいのちが宿っています。皆さんは、いのちの繋がりの中で、私が生かされて生きていることに目覚めてください。人を批判したり、悪口を言ったりして、人を傷つければ、同じいのちで繋がっている自分をも傷つけることになります。お互いに相手の立場を認め合い、仲よくすることが何より大切なことです。生きているものすべてにいのちがあるというみ仏さまの教えは、自然と共に生きるという環境の問題や、いのちを扱う医学の問題にも繋がっています。

3つ目の心は、感謝です。日頃私たちは、生かされて生きていることに気づかず、自己中心的に生きています。しかし、そのことが分かれば、自己中心的な生き方に対して、「ごめんなさい」という反省のこころと、私を支え育んでいる大いなるめぐみに対して、「ありがとう」という感謝の気持ちが生まれてきます。その感謝の心が人や社会のために貢献しようとする行動になって表れてきます。恵まれたわたしの尊いいのちを自分の夢や目標の実現のためにだけに使うなら、それはあまりにも空しいものです。人や社会のために力いっぱいつくしてこそ、わたしのいのちは喜び、光り輝きます。親鸞さまのみ教えは、人間としてどうあるべきか、どう生きるべきかなど、生きる意味と生きる喜びを指し示してくれます。このような問題を宗教の時間や礼拝の時間で学んでいってください。

皆さんの制服の銀色の光り輝く校章は、西本願寺の紋章である下がり藤を一文字の形にデザイン化したものです。薄紫色の藤の花は藤棚から頭をたれて美しく咲いています。その姿は、おごることなく、相手の立場を考えてあげられる、思いやりのある人間にたとえて考えることができます。皆さんは、藤の花のように、自分は頭を下げていても、周りの人からは見上げられている、そんな女性を目標にして学校生活を送ってください。

現代はますます国際化や多様化が進み、また、人工知能などの科学技術の発展は目覚ましいものがあり、社会経済が大きく変わり、未来が予測できない時代であると言われています。そのような時代に対応できる「生きる力」が皆さんに求められています。そのためには、集中して学習に取り組み、知識や技能を学び、それらを活用して課題を発見し、解決するための考える力、判断する力、表現する力を養ってください。そして自らみんなと協働して学びに向い、学び続ける力、つまり確かな学力を身に付けてほしいと思います。また、学校行事にも進んで参加し、クラブ活動や生徒会活動にも積極的に取り組み、コミュニケーション能力を始め、新しいものを創造する力など、さまざまな力を身につけることも大切なことです。授業も学校行事も、そして自主活動も学びの場という点ではすべて同じです。将来の夢や希望の実現に向けて、いろいろな学びの場で、失敗を恐れることなく前向きにチャレンジしてください。

新型コロナウィルス感染拡大防止のため1か月間休校になりますが、感染予防に努め、学校から出された課題をしっかりとこなし、学習に励んでください。

皆さん一人ひとりが楽しく充実した学校生活を送れるように支えていくことを誓い、式辞とします。

                         令和2年4月7日        

                                 京都女子中学校 校長 林 信康

 

保護者の皆様へ

本日、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、入学式を簡略・短縮化して実施致しました。保護者の皆様にはご理解ご協力ありがとうございました。

本日のお嬢様のご入学をさぞかしお慶びのことと拝察し、心からお祝い申し上げます。成長されたお嬢様の晴れ姿を見られ、感慨もひとしおのことと存じます。中学校の三年間は、人格形成の基礎となる大切な時であり、また、同時に悩み多い時期でもあります。私たち教職員一同、大切に育ててこられたお嬢様を今日から皆様の期待と信頼に応えられますよう責任をもってお預かり致します。どうぞ本校の教育活動に深いご理解と力強いご支援ご協力をお願い致します。

                                                                                                                     令和2年4月7日                                                                                                                             京都女子中学校 校長 林 信康