
CIEC 2025PCカンファレンス「優秀論文賞」受賞
本校中学二年生の松井那衣さん、富士希瞳さん、杖谷実桜さんが、CIEC(コンピュータ利用教育学会)が主催する「2025 PCカンファレンス」において、U-18(高校生以下)部門の分科会発表で「優秀論文賞」を受賞しました。全国から集まった21本の論文のうち、高校生20本に交じって唯一の中学生として発表を行い、その独創性と完成度が高く評価されました。受賞論文のタイトルは「『3D Search』~絶対に迷わない駅構内案内アプリの考案~」です。
この研究は、京都駅のように広く複雑な駅構内で多くの人が迷ってしまうという身近な課題から出発しました。特にコロナ禍明けのインバウンド需要回復や大阪・関西万博開催による観光客の増加を背景に、「誰もが安心して駅を利用できるようにしたい」という思いから、3D表示による案内アプリのアイデアを発想しました。研究の中では、空間認知能力や方向感覚に関するアンケートや実験を行い、迷いやすさの要因を科学的に検証しながらアプリの設計を進めました。
審査員からは、「身近な社会課題に着目し、空間認知の視点から課題を掘り下げた独創性と社会的意義の高さが際立っている」と高く評価されました。さらに、外国人観光客への多言語対応や駅構内の店舗との連携による持続可能な仕組みづくりなど、発展的な構想にも期待が寄せられました。
今回の受賞は、単なるアイデアの優秀さだけでなく、課題発見から調査・分析・提案に至るまでの探究的な姿勢と、プレゼンテーション力の総合的な成果でもあります。
本校では、ICTを活用した探究学習を重視しており、生徒一人ひとりが社会の課題に向き合い、自ら考え、解決策を創り出す力を育てています。彼女たちの挑戦は、その象徴ともいえるものであり、「中学生でも本格的な研究発表で全国に通用する」という大きな自信と誇りを学年全体にもたらしました。今後もこの経験を生かし、さらに新しい発想で社会に貢献できる学びを広げていくことを期待しています。