3学期始業式

2022年01月08日
中学校

1月8日(土)8時45分より、3学期の始業式が行われました。

中学2年生は講堂に入って、1年生と3年生は教室で式に参加しました。

 

真宗宗歌で扉が開き、2022年になって初めてみんな揃って阿弥陀様に手を合わせます。

何時にもまして真摯に手を合わせている2年生の姿に、清々しい年の始まりを感じました。

献香の後、校長先生の式辞を聞いて、校歌を心の中で歌いました。

昨年末には文化祭で素晴らしい発表を見せてくれた中学生、コロナ禍で制限の多い学校生活が続きますが、校長先生の紹介してくださった東井先生の詩にあるように、きっと「きびしい寒さに耐えている寒中の蕾たち」は、やがて必ず「やさしく美しいふくよかな花を咲かせるかおりを放つ」ことと思います。

 

式が終わると、生活指導の先生からコロナ感染防止対策についてのお話がありました。オミクロン株の急激な感染拡大には少なからず不安を抱きますが、「いたずらに恐れる」のではなく、「冷静に正しく恐れる」姿勢が必要ですね。

感染対策の基本は、手洗い・マスク・換気。特に、手洗いについての「せっけん10分&流水15分で99.99%のウィルスが消滅する」というお話は、とても心強いものでした。登下校後、食事の前後、共有物を触った後など、「正しい手洗い」を心がけましょう。

 

最後に、生徒会の新執行部メンバーが舞台に上がり、挨拶をしてくれました。そして、1、2年生のみなさんに、「執行部員として一緒に活動しませんか」と呼びかけを行いました。

京都女子中学校は、歴代の生徒たちがそれぞれの立場でリーダーシップ、フォロワーシップ、メンバーシップを発揮しながら創り上げてきた学校です。執行部員の活動は中学校全体を支える、やりがいのある活動です。ぜひみなさんのアイディアとパワーで、先輩方から受け継いだ京女をさらに素敵な学校に発展させてください。

 

 

《校長先生のお話》

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。いよいよ新しい年、そして3学期のスタートです。

浄土真宗の僧侶であり、小学校・中学校の校長をされていた東井義雄先生の日記に、こういう文章があります。

きびしい寒さに 耐えている寒中の蕾たち

  このきびしさに 耐えぬいて

  蕾たちは やさしく 美しい ふくよかな

  花を咲かせる かおりを放つ

  あまりにも保護された花は 花のかおりを失う

  人間は きびしさに であうと

  美しさを 失う

  やさしさを 失う

  ふくよかさを 失う

  かおりを 失う

  きびしさを 人間成就(人格完成)の

  栄養にしなければならないのに・・・・・

  それを蕾たちが、教えてくれているのに・・・・・

 新年に入り、新型コロナウィルス感染が急激に拡大し、第6波が押し寄せています。皆さんは最大限感染予防に徹してください。

人間は、ややもすれば、危機的な状況が訪れると、本性がむき出しになり、美しさ、やさしさ、ふくよかさを失う傾向があります。今こそ冷静に客観的にものごとの本質を見極めて、対応していかねばならない時だと思います。感情的にならず、根拠のない情報に惑わされることのないよう心掛けるべきです。冷静に自己を見つめ、他者のことを考えて行動しなければなりません。建学の精神の理念である自立・共生・感謝の心を今一度確認してほしいと思います。

親鸞聖人は、み仏様の真実の光に照らされ、私こそ煩悩を持った凡夫(普通の人間)であることに気づかされました。そして聖人は、お互い煩悩を持った人間同士であるからこそ、互いの存在を認め、人と喜びや悲しみを共に分かち合い、協力し合って生きることの大切さを教えられています。私のいのちは他の人のいのちにつながっています。おたがいにいのちの「つながり」の中で生かされて生きています。それを仏教では「縁起」といいます。今、新型コロナウィルスでは感染拡大の原因は人と人との接触にあり、それを避けるようにいわれています。そのことはとても大切なことです。しかしながら、単に「つながり」をそういう表面的な意味でとらえてしまうと孤独と不安はますます募ってきます。ソーシャル・ディスタンスという物理的な接触を避けながら、今こそ「つながり」の本当の意味を考え、自分のいのちと他の人のいのちのつながりを大切にして、みんなが協力し合って危機的な状況を乗り越えていかねばなりません。み仏様の智慧と慈悲に教え導かれながら、「美しさ」「やさしさ」「ふくよかさ」を失わず、「きびしさ」を人格成就(人格完成)の栄養にして、クラスのみんながさらに仲良く楽しく過ごせるクラスづくりを目指してください。希望を持って一度しかない大切な人生を力強く歩んで行きましょう。ピンチをチャンスに変えていきましょう。

さて、3学期は、次の新学年への準備段階です。冬休みにお願いしていた今を大切にし、今何をなすべきかを考え行動に移し、人間を磨くための栄養にしてください。

結びにあたりまして、今年が生徒の皆さんにとって最良の年となるように、また、元気に登校でき、充実した学校生活が送ることができますよう念じまして、校長の令和4年の年頭挨拶ならびに令和3年度3学期始業式の挨拶といたします。