第76回高等学校卒業式を挙行しました

2024年03月01日
高等学校

3月1日(金)10時より、第76回高等学校卒業式を挙行し、普通科255名、ウィステリア科71名が卒業しました。

【卒業生入場】                 【開扉】

【卒業証書授与】                【名誉校長お言葉】

【送辞】                    【保護者謝辞】

 

卒業生に贈ることば

 本日、卒業を迎えられました普通科255名、ウィステリア科71名の皆さんに教職員一同心から祝福の言葉を贈ります。ご卒業おめでとうございます。本日卒業を迎えられました卒業生の皆さんが本校所定の教育課程を無事終了し、めでたく卒業の日を迎えることができましたのは、一人ひとりのたゆまぬ努力と研鑽の成果であります。心から敬意を表したいと思います。

 卒業生の皆さんは、本校の建学の精神である親鸞聖人の教えを基調とする、「自立(自己へのめざめ)・共生(他者へのめざめ)・感謝(社会へのめざめ)」の3つの教育理念を、宗教の授業、仏参(朝の礼拝の時間)、宗教行事等を通して学んできました。自己の「いのち」にめざめ、他者の「いのち」を尊重できる思いやりのある「こころ」を持って、自分を深い愛情で支え育んでくださっている保護者の方をはじめ、多くの「いのち」によって生かされていることに感謝し、手を合わすことのできる「心の学園」生としての自覚と誇りが生まれてきているものと確信しています。

 また、卒業生の皆さんは、新型コロナに屈することなく、3つの教育理念を基調に据えて教科の学習はもとより、学校行事、生徒会活動、そしてクラブ活動には、学科・類型の別なくお互いに協働しながら、一人ひとりが持つ特性や適性を結集して創造性豊かな成果を発揮してくれたと思います。

 文化祭では、さまざまな課題があったとはいえ、課題解決に向けて生徒自らが主体的に協創して取り組む等、皆さんの熱意とチャレンジ精神に心を打たれました。皆さんが先輩たちから引き継いだ伝統ある「京女魂」に感動したとても素晴らしい発表でした。また、校舎建築のため、校外で実施された体育祭の応援合戦ではソーシャルディスタンスを踏まえ、創意工夫を凝らし見事な演技を披露してくれました。心から皆さんを褒め称えたいと思います。まさに、「伝統と創造」を見事に体現し、ピンチをチャンスにかえた行事になりました。皆さんは、諸活動を通してさまざまな学力を培い、一段と成長してくれました。

 人間の社会は、いつ何が起こるか分からない不条理な世界です。日本のペスタロッチ(近代教育の父)といわれ、日本の教育界に多大な影響を与えた東井義雄先生は、親鸞聖人のお念仏の味わいを次のように語っています。

 よいことばかりやってくるように つらいこと苦しいことはやってこないように そんなことを願っても それは無理というもの どんなことがやってきてもおかげさまでと それによって 人生を耕せてもらう道 人生を深め 豊饒にさせていただく道 それがお念仏

 お念仏とは、私の不思議な尊いいのちが、阿弥陀如来さまという大いなる無限のいのちによって生かされて生きているということをありがたく思う感謝の行為であります。親鸞聖人は、どんなことがやってきても、おかげさまと受け止めていく道こそ人生を深め、豊かにさせていただく道であると、教えてくださっています。

 人生、何が起こるかわかりません。現に戦争、地震、予期せぬ事故等が起こっています。いつ私に降りかかってくるかわかりません。いつ何が起こるか分からない人生のただ中で、今日のいのちに出遇う不思議と有り難さに感謝し、阿弥陀如来さまの智慧と慈悲に導かれながら、いのち輝く人生を送られますよう心から念じまして、卒業生に贈る言葉といたします。合掌