高校2年生 能楽鑑賞会

2023年07月18日
高等学校

高校2年生 能楽鑑賞会

 7月13日(木)金剛能楽堂にて能楽鑑賞会に参加しました。

⑴能についての解説 (豊嶋晃嗣氏)

能舞台や美術について説明を聴きました。「陰陽五行を込めた世界」という難しくも「心の内側に迫る最小限にして最大限の能」の魅力を教わりました。

 

真剣に聴き入る

 

⑵ワークショップ (宇高竜成氏)

「八島」のラストシーンの謡いを披露してくださり、その心の底から響く声量に感動し、さらに全員でその謡いを体験しました。迫力ある謡いでありながら、「月に白む剣の光」や「潮に映るは兜の星」等をどう表現するかなどを分かり易く説明してくださり、1つひとつの動きの意味の深さを知りました。

また、クラスで1人ずつ代表者が舞台に上がり、扇を使って舞をしたり、歩く走ると舞台を所狭しと動き回ったりと、観劇だけでは味わうことのできない貴重な体験をしました。

 

 

 

扇での動きを確認する

 

扇を持って動きを付け足を鳴らす

 

 

本舞台や橋掛りを摺り足で動き回る

 

狂言「寝音曲」

お酒を飲む美味しそうな表情と動きの演技の巧みさに驚かされ、寝ながらでなければ歌えないという設定の面白み、横になりながら、という悪姿勢で発せられるにも関わらず、声量の見事さに感動を覚えました。腹より出る迫力の謡は美しくもあり、間の取り方や声が出なくなる時の醜い声との対比に面白さを感じながら、いつの間にか横になったら謡ができなくなる転換に笑いが絶えず、狂言の奥深さを堪能しました。

 

能「八島」

世阿弥が描いた「八島」。源平の合戦、八島を題材とし、前半の「漁翁が八島の地の情景を語る抒情豊かな静の世界」と後半の「武士として多くの命を奪いその怨念による修羅の舞い、動の世界」の両方を、目で耳で感じながら能の世界に入り込み、平安時代末期にタイムスリップしていきました。

大道具もない舞台空間、シテは面で表情も分からない、そんな中で、艶やかな衣装に身をまとい、研ぎ澄まされた型で動き回り、囃子方の笛や鼓の迫力、地謡の迫ってくる謡と合わさって最高の舞台を作り上げ、高校生の心にも奥深く響く特別な体験となりました。

京都という「いにしえの都」で学ぶみんなにとって、600年以上の歴史を持つ日本の伝統芸能に触れ、堪能した一日でした。