校長から生徒の皆さんへ

2020年05月01日
在校生・保護者

http://youtu.be/2vJcc6MuzUU

 

校長から生徒の皆さんへ ご挨拶

 

1.生徒の皆さん、こんにちは。その後いかがお過ごしですか?校庭のさつきや藤の花がきれいに咲いています。私はウィルスにかからないように毎日心配と不安の中、感染予防に努めています。皆さんもしっかり感染予防に努めていると思います。現在も世界中に新型コロナウィルス感染が拡がり、収束の気配がありません。

 まず、この度、新型コロナウィルス感染症でお亡くなりになられた国内・国外の多くの方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、感染されている方々に早期の回復を願い、心よりお見舞いを申し上げます。

 また、特に高い感染リスクにさらされながら、治療対策にあたっておられる医師、看護師をはじめとする医療従事者の方々、さらにスーパーマーケットを始め、私たちの身近な生活を支えている社会インフラに従事されている皆様に深く敬意を表し、感謝いたします。

 今、世界中の人々が共に力を合わせ励まし合って、この難局を乗り越えていこうとしています。ただ、無症状のために感染に気付かない人の行動が感染を拡大する一因になっているのではないかともいわれています。また、外出の自粛要請に従わない人の行動により、感染の拡大が心配されています。さらに、そのような状況の中、感染者を始め、医療従事者、その家族、濃厚接触者に対する誤解や偏見に基づく差別が見受けられます。私たちは差別や偏見、誹謗中傷をしないように、正しい情報により、冷静な行動をしましょう。

 さて、政府は「緊急事態宣言」を延長するようです。したがって、すでにお知らせしましたように、皆さんが楽しみに待っていた学校再開がまた延期されます。感染の収束が見られない以上、やむを得ないことですが、とても残念でなりません。しかし、私たちのいのちに関わることですので、学校再開が延長された趣旨を理解し、今しばらくみんなで我慢し協力し合い、この難局を乗り越えていきましょう。

 

2.浄土真宗の僧侶であり、小学校・中学校の校長をされていた東井義雄先生の日記(1991年1月20日)に、こういう文章があります。

   きびしい寒さに 耐えている寒中の蕾たち

   このきびしさに 耐えぬいて

   蕾たちは やさしく 美しい ふくよかな

   花を咲かせる かおりを放つ

   あまりにも保ごされた菊(花)は 菊(花)のかおりを失う

   人間は きびしさに であうと

   美しさを 失う

   やさしさを 失う

   ふくよかさを 失う

   かおりを失う

   きびしさを 人間成就(人格完成)の

   栄養にしなければならないのに・・・・・

   それを蕾たちが、教えてくれているのに・・・・・

 

 人間は、ともすると危機的な状況が訪れると、本性がむき出しになり、美しさ、やさしさ、ふくよかさを失う傾向があります。今こそ冷静に客観的にものごとの本質を見極めて、対応していかねばならない時だと思います。感情的にならず、根拠のない情報に惑わされることのないようにしてください。私たちは冷静に自己を見つめ、他者のことを考えて行動しなければなりません。建学の精神の理念である自立・共生・感謝の心を今一度確認してほしいと思います。

 親鸞聖人がみ仏様の真実の光に照らされ、私こそ煩悩を持った凡夫(普通の人間)であることに気づかされました。そして聖人は、お互い煩悩を持った人間同士であるからこそ、互いの存在を認め、人と喜びや悲しみを共に分かち合い、協力し合って生きることの大切さを教えられています。私のいのちは他の人のいのちにつながっています。おたがいにいのちの「つながり」の中で生かされて生きています。今、新型コロナウィルスでは感染拡大の原因は人と人との接触にあり、それを避けるようにいわれています。そのことはとても大切なことです。しかしながら、単に「つながり」をそういう表面的な意味でとらえてしまうと孤独と不安はますます募ってきます。ソーシャル・ディスタンスという物理的な接触を避けながら、今こそ「つながり」の本当の意味を考え、自分のいのちと他の人のいのちのつながりを大切にして、みんなが協力し合って危機的な状況を乗り越えていかねばなりません。み仏様の智慧と慈悲に教え導かれながら、大切な人生を歩んでいかねばなりません。

 そして、世界の人々との「つながり」の中で生きているからこそ、この困難を乗り越えた時には、再び、共に喜びを分かち合え、未来に向かって歩んでいくことができます。

  いま私たちにできること

  私のいのちを大切にすること

  他の人のいのちを大切にすること

  そのために今私ができることを考えましょう

  自分は大丈夫と過信しないこと

  必要なものは 人と分かち合う

  根拠のない情報に振り回されない

  不安が生み出す偏見や差別の心を持たない

  厳しい状況の中 力を尽くしている方々に 感謝する 

  つながりの中で生かされている私たちは、共に支え合い、力を合わせ、誰もが安心して生活できる社会を取り戻してまいりましょう。

(浄土真宗本願寺派ポスターより抜粋)

 

  •  最後に、生徒の皆さんの生活習慣について振り返り、自己を見つめてみましょう。

①不要不急の外出を避け、規則正しい生活をしていますか。

 ・起床・就寝時間等、学校が再開する時にすぐに対応できるように生活の時間を計画的に実行できていますか。遅くまで起きて生活のリズムが狂っている人はいませんか。 

 ・手洗い、うがい、咳エチケットを励行しましょう。

②食事はちゃんとしていますか。

 ・栄養のバランスを考えて、三度の食事をとってください。

③学習に励み、読書・趣味等に興じていますか。

 ・自宅学習は継続的に行っていますか。WEBや郵送により、学校から出ている課題にしっかりと取り組んでいますか。 

 ・自分自身の視野を広げるために読書にいそしんでください。

 ・趣味に興じ、自分自身の特性を伸ばしてください。

④適度な運動はしていますか。体力の維持増進に努めてください。

⑤家事のお手伝いはしていますか。食事・掃除・洗濯等のお手伝いし、自分の存在が家族のために役立っているという感覚(自己有用感)を養ってください。

 

 それでは、再び皆さんと会える日を楽しみにしています。くれぐれも健康面に留意し、休業期間中には夢や希望の実現に向けて、明日につながる有意義な生活を送ってください。学校再開の時には元気な姿で登校してくれることを心から念じています。合掌