
高3 アメリカ研修旅行
日本の文化や建学の精神を学び、さらに国際人材をめざすウィステリア科の集大成として1月28日~2月4日までの8日間、アメリカ西海岸へ研修旅行に行ってきました。
1月28日(火)にホームステイ先の家族とドキドキの対面をし、アメリカでの生活が始まりました。
翌日29日(水)と翌々日30日(木)はアナハイムのウエスタンハイスクールにて授業に参加しました。ブラスバンド等の歓迎を受け、それぞれのバディに付き添われ、教室に吸い込まれていきました。アート、家庭科、体育(ダンス、バスケットボール)など様々な授業に参加しましたが、レスリングの授業ではデモストレーションの後、実際に等身大の人形を投げ飛ばしたり、ロープを上ったりと日本では経験できない競技にも積極的に参加し、歓声を浴びていました。中でもプレゼンテーションは50名もの現地の生徒たちの前で、英語でするという緊張の時間でしたが、テーマもアニメや紙芝居、日本文化・遊戯など現地の生徒の興味を引くものばかりで、どの班も堂々とこなすことができました。その様子からは準備から始まり、みんな自身が現地で大きな開花を感じた素晴らしい体験であったことが推し量れました。
31日(金)はLAドジャーススタジアムにてバックグラウンドツアーに参加し、初めて黒人でメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンのことや、日本人の大谷翔平のVIPルームの説明を受けるなど、国際性・多様性の文化も野球を通じて感じた体験でもありました。午後はファーマーズマーケットに行き、アメリカのスイーツに舌鼓したり、ショッピングをしたりと堪能しました。
2月1日(土)はホームステイ先の家族と過ごす休日で、それぞれの家庭でそれぞれの休暇を楽しみました。
2日(日)はオレンジ郡の仏教会に行きました。普段高校で実施している仏参を披露し、その後檀上で校歌や聖夜を歌唱するなど、立派に親鸞聖人の体せられた浄土真宗の学校の姿を見せることができました。
交流会では空手やダンスを披露したり、ロサンゼルス火災により亡くなられた方、被害に遭われた方への追悼の千羽鶴を奉納したりしました。これは生徒の発案で始まり、ホームステイ先の家族やウエスタンハイスクールの生徒たちも参加していただき実現したことです。
午後はディズニーアドベンチャーに行き、それぞれにアトラクションやパフォーマンスを楽しみました。
誰も病院へ行くなどの病気やケガをすることなく、それぞれの思いと成長を持って帰国の途につきました。この体験を通じてみんながナニカを得、今後につなげていってくれるものと確信の持てる研修旅行となりました。
10月31日、11月1日の2日間、高3ウィステリア学科では広島へ平和学習に行ってきました。広島に着くなり、秋には少し暖かい日なのに、風がひんやりと感じたのは歴史の重みと緊張感からだったのかもしれません。
先日、日本被団協の長年の功績に対し、ノーベル平和賞が授与されました。その影響か平和記念公園は外国人も多く、大変な混雑でした。頭の中の「戦争は悲惨である」という言葉からあまりにかけ離れた「真実」の写真はモノクロで、しかし心の中に鮮烈な色を放って迫ってきました。観ることの現実、聴くことの衝撃はみんなの心を強烈に動かし、写真の前で立ち尽くす人、涙を流しながら嗚咽する人、ただただ文章を読み黙す人。それぞれの心に真実は語りかけてくれました。そして、「伝える」ために写真を撮った人の思いは、戦後80年近くにわたって途絶えることなく未来の平和に「つなげる」ために活動を続けてきた人たちに受け継がれ、そのバトンを京都から来た若者もしっかりと受け取りました。
二日目の宮島、厳島神社はあいにくの雨でしたが、大鳥居を見て本殿に参拝し、廻廊で釣灯籠や大鳥居を背景に写真を撮ったり、釘を使っていないという床を踏んで音が出ないかなどを確認したりと、文化の美を楽しみながら体感しました。
初日の夜に広島風お好み焼き、2日目のお昼はアナゴ飯、自由時間は定番のもみじ饅頭や牡蛎などに舌鼓して、土砂降りの雨の中の散策も未来に響く笑い声で、広島の平和学習を終えました。
11月6日渉成園にてお茶会が開かれました。昨年と同様に3年生が亭主を務め、1,2年生と保護者が接待されるというウィステリア科全員での行事となりました。ウィステリア科では普通科では学ぶことのできない授業が数多くありますが、1,2年次に特別授業として京都の伝統文化を学ぶべく茶道・華道を学んできました。そして、3年生にとっては亭主を務めるという集大成となるのがお茶会です。
秋晴れの1日。空はどこまでも高く澄み渡り、白く細い雲が微かに流れる快晴の日、3年生は点前、給仕、案内、下足、水屋などの役割をテキパキとこなし、接待することの喜びも感じているようでした。制服も冬服に替わったばかりで、濃紺のブレザーが特に凛々しく、凛とした空気が茶室を埋めていました。1,2年生も作法を守りながらもそれぞれにお茶と紅葉を模した色鮮やかな和菓子を楽しんでいました。
15代将軍徳川慶喜の「渉成園」という額縁のある和室からは、大きな窓越しに庭園が臨めました。そもそも3代将軍家光の寄進によるものですが、時代をさらに遡れば、光源氏のモデルの1人である源融が、六条河原院を造営する際に奥州塩釜の風景を模して庭を造ったと言われる地であり、『源氏物語』にも「六条院」や「なにがしの院」のゆかりの地でもあります。融の供養塔も窓から臨めました。
渉成園。このような歴史深い地で伝統文化のお茶会を体験できることへの感謝、また普段よりお茶の作法を通じてマナーをもご指導をしてくださっている先生方にも深い感謝を表して解散となりました。
W科の高校2年生、3年生が6月に受検した「令和6年度第1回日本語検定」において本校が「全国高等学校国語教育研究連合会優秀賞」を受賞しました。また、個人の部として2年生の伊東香奈さんと市川夏帆さんが「読売新聞社賞・優秀賞」を受賞しました。おめでとうございます!
日本語検定はウィステリア科の高校2年生と3年生が毎年受験していて、国語の授業の中で語彙や漢字に関する課題を取り入れたり、「日本語検定公式練習問題集」を自主学習するなどしています。今回このような賞をいただき生徒達にとって良い励みになりました。今後も美しい日本語を修得できるように取り組んでくれることでしょう。
7月27日(土)に「Ikenobo 花の甲子園近畿地区大会」が池坊短期大学で開催されました。今年度のテーマは「わたしの”今”」。本校からは高校3年ウィステリア科の3人がチーム名「白色白光(びゃくしきびゃっこう)」で出場しました。当日に発表された花材を使い30分の短い時間でテーマに沿った作品を一人一人が創りあげました。その後、作品のプレゼンを3分間で行い、6人の審査員による結果を待ちました。結果は・・・昨年度に続き惜しくも3位! 作品は言うまでもなく、プレゼンは参加校の中で断トツで素晴らしかったです!!優勝はできませんでしたが、胸を張れる3位でした!
ウィステリア科1年生では3年生でのアメリカ研修に向けて日頃より英会話の授業に励んでいます。その集大成として3月にはびわ湖大津プリンスホテルで1泊2日、ネイティブ教員9人との英語漬け合宿を行います。
二学期から学校で準備してきたプレゼンテーションもこの場で披露します。プレゼンテーション準備も英語で行いつつ、何度もリハーサルしながらネイティブ教員のアドバイスを受けます。発表資料はあえてパソコンのスライドではなく画用紙や印刷物を用いて行い、まずは目の前にいるオーディエンスに伝えることを主眼とするものでした。英語での会話や発音だけではなく人前での話し方や伝え方も身に着けることができる大変良い機会だったと思います。
2日目の発表後には担任の先生からも英語でコメントがあり、生徒たちは普段英語を話すことのない先生の姿に驚きと喜びを見せていました。この機会を活かし、2年生での英語学習を加速させてくれればと思います。クラスメイトと過ごした2日間の思い出とともに、3年生の1月末より始まるアメリカ研修への期待も膨らんだイングリッシュキャンプとなりました。
高校3年ウィステリア科では3年間の集大成として、アメリカの西海岸(サンディエゴ、アナハイム、ロサンゼルス)に9日間の研修旅行を行いました。
前半は関西国際空港を飛び立ちサンディエゴ空港に到着後、アナハイムを中心としたファミリーの家に4泊5日のホームステイをさせていただきました。その間、地元のウェスタンハイスクールに通学し、バディと共に授業に参加をし科学や歴史、家庭や体育を学びました。そして事前に取り組んできた「日本の文化」をテーマにしてのプレゼンテーションを各グループ2~3回行いました。ホームステイのファミリーやバディに自分の英語が伝わるか心配していましたが、日数が経つにつれ会話や笑顔も増えていき、楽しそうな姿を見ることができました。親しくなってきたところでお別れ。涙を流して別れを惜しむ生徒たちのグループがあちらこちらで見られました。
後半はオレンジ郡仏教会を訪れ、ご門徒さまやボーイスカウトのみなさまと共に「京女式」の仏参を行いました。聖歌「聖夜」を歌った時はたくさんの人から賛辞をいただきました。その後は交流会を開いていただき、食べきれないほどの料理とデザートでおもてなしを受けました。本当に本当にありがたかったです。
残りの日程は主に観光で、サンタモニカ、ロサンゼルスのチャイニーズシアターなどに行きました。数年に一度かもというくらいの大雨でしたが、それも良い思い出になったことだと思います。
最後は、お待ちかねのカリフォルニアディズニーランド。東京とは当然違う雰囲気で、言うまでもなく大満喫していました。
コロナ禍を挟んで、4年ぶりのアメリカ研修でしたが、たくさんの人のお陰で無事に終えることができました。この経験は一生の財産となることでしょう。
11月20日(月)、高校1年生がウィステリアリサーチの授業で、京都美術工芸大学七条キャンパスに訪問し、漆芸家の三木表悦先生より、漆芸の講演をしていただきました。
マリー・アントワネットも愛した漆芸作品。欧米では「Japan」の名称で親しまれている――どちらかというとあまり身近ではない伝統工芸品について、こんな興味深い出だしで始まった講演、スライド写真を用いて、1本の木から、ごくわずかしか採取できない漆について、漆の化学式や三木先生の作品について――貴重なお話を伺い、漆の魅力を知ることができました。
2クラスの議長がクラスを代表して三木先生に質問、工芸家ならではの作品愛を感じるご回答にみんな感銘を受けた様子でした。
キャンパスに展示された三木先生の漆芸作品も見学させていただき、芸術の秋を体感する半日となりました。この学びを、今後、どうレポートに繋げ、どんな考察を展開してくれるのか、楽しみです。
三木先生、京都美術工芸大学の皆様、ありがとうございました。
2月7日(水)、御所人形師伊東庄五郎先生にご来校いただき、御所人形について、京都のお祭りと人形について、ご講演いただきました。
事前に調べ学習し、この日を迎えた生徒達。御所人形の秘密や市松人形のトリビアについて、楽しいスライドと共に、とても興味深いお話を伺いました。
「伝統的なものは昔から受け継ぐものこそが本来の形であると考えがちであるが、伊東先生のお話を聞いて、柔軟に考えることの大切さをわかった気がしました。」「一つひとつの人形に対する思いが、我が子に対する思いのように感じて、伊東先生の気持ちが伝わった。人形を作るということは、命を吹き込む仕事なのだと思った。」「祇園祭には毎年行っているのですが、伊東家の人形の話を聴き、次の祇園祭の楽しみが増えました」等、作り手の方のお話を伺うことで、パソコンではわからない生きた伝統に触れる2時間になりました。事前学習をふまえた質問にも、ユーモラスに、誠実に、ご回答くださいました。
もうすぐ雛祭り、女の子の幸せを願い、人形を慈しむ日本の文化も大切にしたいですね。
伊東先生、心温まるお話をありがとうございました。
2月5日(月)に五条の京麸・京湯葉の老舗である半兵衛麸に見学に行きました。あいにくの雨でしたが、落ち着いた格式高い店構えに伝統を感じ、期待が高まります。
330余年続くお店の歴史についてお話を伺い、江戸時代の美しいお辨當箱や衝撃的な陣中弁当箱等を見学し、おくどさん(古いお台所)を横目に、緑豊かな走り庭をぬけて、二階のギャラリーで美術作家手塚愛子氏の作品を拝見しました。
授業後に生麸や湯葉を買う人も…「晩御飯でお鍋に入れていただきました!」との声も聴きました。高たんぱくでヘルシーな京麸や湯葉の伝統と魅力、見て味わって発信していきたいですね。
半兵衛麸様、木村様、島田様、德留様、ご多忙の中、素晴らしい学びの機会を与えてくださって、ありがとうございました。