理念・教育方針 About us

高い志を持ち社会に貢献できるこころ豊かな女性に。

仏教精神に基づく高い教養を身につけることにより、女性の社会進出の進展を願った学園創始者の思いは100年を経た今も変わらず、京都女子中学校・高等学校に息づいています。多くの優れた卒業生を輩出してきた変わらぬ伝統と、未来に向かって常に先進的な教育に取り組む進取の精神によって、現代社会の第一線で活躍できる「優れた知性と豊かな心を兼ね備えた女性」の育成を目指しています。

ごあいさつ

林 信康

高等学校中学校 校長 林 信康

伝統と改革 -未来を切り拓く女性を目指して

世界は今、AIやVR等のデジタル技術の進展により、未来社会「Society5.0」に向かって突き進んでいます。また、地震や地球温暖化による気候変動に伴う自然災害、さらにロシアのウクライナ軍事侵攻、イスラエル・パレスチナガザ戦争、新型コロナウイルスによるパンデミック等、いつ何が起こるか分からない予測不可能な時代です。そのような変動性(Volatility)・不確実性(Uncertainty)・複雑性(Complexity)・不透明性(Ambiguity)なVUCA時代の流れに伴い、日本政府は、誰もが快適に社会で活躍できる生活を送るためのいわゆる超スマート社会の実現を提唱しています。文部科学省は、社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる課題発見解決能力を持った創造的な人材の育成に力を入れ、探求型の学び(課題設定・情報収集・整理分析・まとめ表現)を重視する「令和の日本型学校教育」という教育改革を推し進めています。新学習指導要領では、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させ、「主体的・対話的な深い学び」の実現により生徒一人ひとりが未来社会を切り拓いていくための資質・能力を育成することが重要視されています。

このような教育改革を踏まえながら、中学校では、2022年度から従来のコース・類型を見直し、新しいコース制でスタートしました東雲・藤華・顕道コースは今年度が完成年度にあたります。探求的な学びにより、「答えのない」・「答えは1つではない」という課題に主体的に取り組み、VUCA時代に対応できる基礎的な力を身に付けています。また、高校においても探求的な学びを推し進めています。2022年度から新しく設置しましたCSコースは完成年度を迎えます。CSコースを始め、ウィステリア科、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ類型ともに一人ひとりの資質・能力の向上を目指しています。(コース・類型の詳細については次々頁以下に記載されています。)

本校は、明治32年建学以来、124年にわたり女性の自立、地位向上を目指し人や社会に貢献する心豊かな女性を育成してきました。建学の精神である親鸞聖人の教えを基調とした3つの教育理念、1.自立(自己へのめざめ)、2.共生(他者へのめざめ)、3.感謝(社会へのめざめ)という「心の教育」を指針として、すべての教育活動を行っています。いのちの尊厳と平等にめざめ、「生かされて生きている」という感謝の思いで、ともに協働して世界の誰もが平和に暮らすことができる社会の実現(Society5.0 for SDGs)を目指す心豊かな「人間力」を備えた女性を育ててまいります。

中等教育の女子校にはさまざまなメリットがあります。まず、女子と男子では発達段階での違いがあります。女子だけの環境の中で、女子に適した教育システムにより資質・能力を最大限伸ばすことができます。また、ジェンダーにまつわる男女の固定観念や役割分担等にとらわれることなく、自分の個性や適性を発揮でき、進路の幅が拡がっていきます。さらに、異性を意識することなくありのままの姿で、仲間や先生と関わりあうことを通して、お互いの存在を認め合い、自然に自己肯定感や人の役に立っているという自己有用感が培われるとともに思いやりや感謝の心が育まれ、心豊かな人間として成長していきます。

学習面はもちろんのことですが、協働性やコミュニケーション能力など、さまざまな「生き抜く力」を育むことができる学校行事等の特別活動や生徒会活動、そしてクラブの自主活動も大切にしています。未来を切り拓き、新時代に貢献できる総合的な人間力を備えた生徒を育んでまいります。

建学の精神

心の学園にふさわしい女性をはぐくむ

京都女子中学校・高等学校は明治32年、浄土真宗本願寺派(西本願寺)との関係が深かった甲斐和里子が創設した私塾「顕道女学院」を前身とし、明治43年、大谷籌子のわが国の文化の向上には、婦人の教養を高める必要がある。そのためには、女子に仏教精神に基づく高い教育を受けさせよう」という願いによって創立されました。

本校では、建学の精神を具体的にあらわした次の3つの理念に基づく教育を行うことにより、心豊かな女性に育ってほしいと願っています。

1. 自立(自己へのめざめ)

自己中心的なわたしが、生かされていることにめざめる。

2. 共生(他者へのめざめ)

いのちの尊厳と平等にめざめ、ともに協調して生きる。

3. 感謝(社会へのめざめ)

生かされて生きていることに感謝し、社会に貢献する。

教育方針

仏教精神に基づき、学力だけでなく、人を育む。

本校では建学の精神を現代に生かした教育方針によって教育を行っています。中学から高校への6年間は、人間形成において大変重要な時期です。教育方針の根本を教育基本法にのっとった人格の形成を目指すところにおき、自主的精神にみちた心身ともに健康な人間の育成を期しています。さらに、宗教的情操教育を通して、豊かな心と高い教養を備えた人間を育成することを目指しています。

教育目標

  1. 豊かな心と高い教養を身につけ、さまざまな課題に意欲的に取り組み、みずから解決できる自立した生徒を育成する。(自立)
  2. 基本的生活習慣を身につけ、自主活動に積極的に参加するとともに、自・他のいのちを尊重し、他者と協働できる生徒を育成する。(共生)
  3. 一人ひとりの進路に適した学力を身につけるとともに、女性としての自己の進路を切り拓き、社会に貢献できる生徒を育成する。(感謝)
いじめ防止基本方針
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宗教教育

「いのち」の大切さを学ぶ。

京都女子中学・高等学校は親鸞聖人の体された「仏教精神」に基づいた情操教育に力を注いでいます。 週1時間の宗教の授業や、朝の礼拝をはじめ、花まつりや厳粛で壮大な親鸞聖人降誕会などのさまざまな宗教行事を通して「いのち」の大切さにめざめ、人間だけではなく動物や植物、すべての尊い「いのち」を認め、他者とともに生き、未来をリードする人になってほしいと願っています。