高1(Ⅲ類型)特別授業 「京都大学RIセンターの先生と一緒に 放射線についてディスカッションしよう」

2017年3月30日

進学・進路指導

3月11日(土)10:40~12:30

   本校理科教員による事前講義 「放射線の基礎知識」

13日(月)9:00~12:30  

  生徒によるプレゼンテーション、ディスカッション、

京都大学の先生によるミニレクチャー

 オブザーバーとして、京都大学放射性同位元素総合センター(RIセンター)准教授 戸崎充男氏、助教授 角山雄一氏、の2名の先生に来校していただき、特別授業を行いました。これは5年目にあたるもので、「放射線と人間はどうつきあうべきか」というテーマで、高1Ⅲ類型の生徒全員が参加しました。

H28.放射線1 H28.放射線2 H28.放射線3

意見表明をし、進行を進めるのは、日頃からディベートに取り組んでいる、本校新聞部のメンバーに加え、Ⅲ類型の生徒から募った有志の生徒たち。皆でそれぞれ夏休みから準備を始め、秋には京都大学放射性同位元素センターを訪問してレクチャーを受けるなど、熱心に勉強を進め、準備を行ってきました。

 特別授業として、一日目に本校の理科教員による「放射線の基礎知識」という講義を全員が受けました。そして二日目。ディスカッションを開始。放射性廃棄物の地層処理の是非、放射線の食品照射利用の是非、原発を存続すべきか、廃止すべきかをテーマにして討議を進めました。3時間半にも及ぶ特別授業であったので、参加者が集中できるか心配していましたが、生徒らは最後まで真剣に人の意見を聞き、質問や感想、意見などを次々と積極的に出していました

オブザーバーの先生からは、正しい情報を得るために勉強し続けること、考え続けること、議論をして色々なもの考え方を知ることが大切であるとお話をいただきました。簡単に正解が出ない原発の問題については、この特別授業で議論を終わらせるのではなく、今後も幅広い知識を得て、多面的な目で考え続けてほしいとおっしゃいました。

また、最後にはミニレクチャーとして、放射線の仕組みについての説明をしていただき、また、震災から6年を経た福島県の現状について教えていただきました。先生は頻繁に福島を訪れておられ、調査に行かれた際の写真やデータなども示しながら、福島の最新の様子を伝えてくださいました。現在の原発や町の様子、除染の進捗具合、どんどん集められている廃棄物の山など、生々しい今の様子の一端を見ることができました。原発の廃炉や除染などの作業にはさらなる技術開発が必要であり、この先何十年かかると予想されるそうです。まだまだ片付いていないこの問題について一人ひとりが深く考え、一緒に向き合ってほしいというメッセージを伝えてくださいました。

今回の授業を通して、放射線の利用について、放射性廃棄物処理の問題、福島の現状など、様々な視点から放射線について考える一つの機会をいただきました。今後も正しい知識や情報を広く得て、人と議論しながら自分の考えを深める姿勢を身につけていってもらいたいと思います。

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〈生徒の感想より〉

・今回ディスカッションに参加し、解決策のなかなか見つからない議題について話し合うというのは非常に大変なことなのだと分かりました。(放射性廃棄物の処理方法について)私も1000年ごとにガラス固化体を地下から地上に引き上げてまたバリアを作る‥など色々な考えが浮かんだのですが、専門家やパネラーのお話を聞いていると本当に放射性物質を対処するというのは困難なことだと実感しました。これは今生きている私たちだけではなく、1000年後、2000年後‥などの未来の人間にも影響することなので、一刻も早く対処法を見つけることが不可欠だと思いました。そのためには技術ももちろん必要ですが、何よりも多くの人が放射線についてより深く知ることがまず解決に向けての一歩となると思います。また、驚いたのは、この問題を解決するためには、物理学、科学だけではなく、地質学、工学、さらには宇宙学までも関係するということです。何人かの偏った考えを持つ人だけで考えるのではなく、様々な分野で別の側面から見た時の考えも織り交ぜて、専門家は議論しているのだと分かりました。私には関係ないと思っている人にもこの話の内容を是非聞いてもらいたいなと思える授業でした。

・実際に準備に関わり、様々な情報は得ていましたが、ディスカッションでは専門的なことをわかりやすく教えていただき、良い経験になりました。放射線に関する正しい情報を得ることが大切であると改めて感じました。また、多くの人がしっかりと放射線、原発について考えていることを知り、様々な意見を受け止め、自分でも考え直すことができました。

・今回の授業で一番感じたのは、それぞれのチームが一生懸命調べて、発表に臨んでいるんだなということです。放射線という難しいテーマであるにもかかわらず、パワーポイントを使って発表する同級生を尊敬したいと思いました。

・放射線は原発について今までどのような仕組みがあって、どんな問題があるのか詳しく知りませんでしたが、今回のディスカッションをする中で、より深く理解することができました。ニュースで時々原発のことについて流れているので、自分も身近に感じて考えていきたいと思います。また、ディスカッションをして、自分が考えてもいないことを他の人が考えていたり、意見を共有することができたので、良かったと思います。他の人の意見を聞くことで、違う視点から物事を見ることが出来ました。違う内容でも話し合ってみたいです。

・私は放射線についての知識が足りないことを痛感し、もっと多くのニュースに興味を持たなければならないと思いました。私は東日本大震災を知っている世代なので、原発事故や津波の映像を実際に見ています。でも、放射線についての知識は浅く、原子力発電が日本の現状とどう関わっているのかについて、今まで関心がなさ過ぎました。今日の三組のプレゼンを聞いて、廃棄物をど処理するか、原子力発電所は稼働すべきなのか、照射食品は安全なのかという、私たちの生活に直結する問題ばかりで、決して他人事ではなく、真剣にむきあわねばならないと感じました。今日を機に、ニュースや新聞に興味を持ち、国の話題に対して自分の意見を持っていきます。

・初めの方は質問が多かったけれど、特に一番最後は色々な意見が出てきて、とても面白かった。一人では考えられない難しい話題でも、皆と議論することによって、様々な考え方があることに気付いたので、とても良い時間になったと思う。「人間の気持ちを考えて議論をしてほしい」という先生の言葉が印象的だった。科学的な視点で原発問題は解決するのが第一だと考えていたが、どういう決断をするにしても、人間の感情が関わってくるので、一方的な視点で解決しようとするのではなく、多角的な見方が大切なのだと気付くことができ、それを大切にしたいと思った。今までは原発は自分とは関係のない遠い問題だという認識だったが、議論をし、話を聞く中で様々な問題点や利点が見えてきた。そのお陰で自分がこの問題とどのように向き合うのか考えることができた。

・私は今回のディスカッションのためにパワーポイントなどを作る側でした。普段は人の前に立って物事を率先してするということをあまりしないので、このディスカッションからたくさんのことを学べたと思っています。

・(前半略)授業では発表メンバー以外の人たちの反応もとてもよく、予想以上に有意義なディスカッションが出来ました。自分には難しいと思うようなことでも興味を持って知りたいと思うことで理解できることがあること、放射線は私たちがこれからも向き合っていかなければいけないテーマであると分かったことが、今回の授業を通しての私の一番の成長です。

・パネラーの人たちが私の想像していた以上に詳しく、専門的に調べて、わかりやすくプレゼンしてくれ、普段考えないようなことを考えるきっかけになった。


〈京都大学の先生方へのメッセージ〉

・私たちのためにお時間を割いてくださり、有り難うございました。先生方のお話を聞き、放射線の問題の深刻さを目の当たりにしました。私にできることは少ないですが、原子力の恵みを受けている身として、責任を持って考えていかなければならないと感じました。

・今日はお忙しい中、ご来校有り難うございました。放射性物質が私たちの生活にどう影響しているか、多くの知識を得、改めて多くを考えさせられました。これからの国の動向をしっかり観察し、自分に貢献できることはないか考えていきます。

・お時間のない中、来ていただき、有り難うございました。今までよく分かっていなかったことが理解することができる良い機会となりました。また、何かについて話すとき、色々な視点で見るべきだと気付くことが出来ました。

・放射線のことについてたくさんの知識が増えて良かったです。文系なので必要ないかなと思っていましたが、有意義な時間になったと思います。

・事故当時まだ11歳だったので、原発について何も知らなかったですが、6年たった今、様々な課題や利用方法について皆と議論することができ、楽しかったです。自分とは違う見方を持つ人の意見を聞くことで、考え方が広がった気がします。

・私たちの質問に温かく、親切にお答えいただき、有り難うございました。

・普段は聞けないようなことまでしれて面白かったです。もっとゆっくり話を聞いていたかったです。

・リスクコミュニケーションという考えは、一人だけの考え、感覚だけでなく、皆のことを考える方法なので、とても面白くて合理的だと思いました。

・ディスカッションだけでなく、先生方の講義もあったので、放射能について詳しく知ることが出来ました。貴重な体験を有り難うございました。

・日本だけでなく海外のお話も聞けて、面白かったです。わかりやすく説明していただき、ありがとうございました。